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2025/07/21

過去の高値・安値のブレイクアウトを示すシグナルに出来高アイコンを追加

過去の高値・安値のブレイクアウトは重要なテクニカルシグナルだが、
出来高の増加が伴わないと、ダマシに終わることが多い。

四本値だけを使ったテクニカル指標だと出来高を考慮しないので、
出来高を伴う本物のブレイクアウトも、
出来高を伴わないダマシのブレイクアウトも、
全く同じものとして扱ってしまう。

ということは、
出来高を考慮してダマシを少なくできれば、
負けトレード回数や損切りコストを抑えることで、
トレード成績の向上が期待できることになる。

そこで、自作ツールのブレイクアウトシグナル
「▼下抜」「△上抜」に
出来高を示すアイコンを付加していくことにする。

当日の出来高を、前日時点での20日出来高平均と比べて、
その増加率を現すアイコンを4種類付加してみた。

 100%未満は「-」(マイナス)
 120%未満は「=」(イコール)
 120%以上は「+」(プラス)
 150%以上は「++」(ダブルプラス)

の4種類である。「+」以上だと信憑性が高いと判断する。
「▼下抜 +」「△上抜 +」のように表現する。


さて、もう一つついでに、
過去の高値・安値のブレイクアウトした後に、
そのまま高値および安値を更新している場合に、
「▼下抜」「△上抜」が出続けるのもおかしいので、
表現を少し変えることにしようと思う。

とりあえず、
「▼更新 +」「△更新 +」のようにしておこうと思う。
これも出来高アイコンを付加する。

ブレイクアウトは、終値ベースで、出来高の増加を伴って、合格と判定する方がよい。
例外があるかもしれないけれども、わざわざ考慮しなくてもよいだろうと思う。
デイトレードはともかくとして、ポジショントレードでは出来高が重要になる。

トレイリングストップによる「逆指値変更」の判断も、
出来高を考慮するように改善していこうと思う。


2025/07/06

2020年のコロナ暴落時の「1540 金の果実」分析

もう5年も前の話になるが、コロナ暴落の時を、ふりかえってみたいと思う。
新しいツールで「2020/2/25」にタイムスリップしてみて、
シグナルサマリーの一覧画面を見ると、状況が一目瞭然だと思う。

銘柄選定用シグナルサマリー 2025年2月25日
日経平均のシグナルサマリー 2025年2月25日


私の以前のツール(相場師朗先生の株塾2019年バージョン)でも、
買いのシグナルがほぼゼロになり、売りのシグナルが99%近くになっていたが、

私の新しいツール(林則行先生の投資部2025年バージョン)でも、やはり、
買いのシグナルはほぼゼロになり、売りのシグナルが99%近くになっている。

ちなみに当時、私が入会していた「株塾」では、その1ヶ月以上も前からずっと
暴落に備えた空売りの練習をしていたにもかかわらず、
暴落直前に「急上昇」した時に、
「言われたとおりに空売りしたら大損したぞ! どうしてくれるんだ!」
というクレームを言ってくる人がいたそうだ。
最後の急上昇で、迷って、買って、大損 or 機会損失 した人も少なからずいたようだ。

次回いつの日にかやってくる大暴落の時に備えて、
林則行先生は著書の中で、「金 (GOLD)」の購入を一貫して推奨している。
講義の中でもお話されていたが、
株式市場が暴落したら直ちに金が上がる、というわけではなく、
一時的な、上がったり下がったりの乱高下は、想定しておくべきである。

そうでないと、
株式市場が暴落した時に「金 (GOLD)」も一緒に暴落したら、迷って、
「言われたとおりに金を買ったら大損したぞ! どうしてくれるんだ!」
というクレームを言ってくる人がいるかもしれない。

まず、金のETF「1540 純金上場信託(通称:金の果実)」の
週足チャートを見てみると、一方的に上昇していることが明白である。
でも2020年の値動きを見ると、少なからず乱高下していたのが確認できる。

1540 純金上場信託(通称:金の果実)週足チャート

まず、2020年2月25日にタイムスリップして、シグナルサマリーを見てみると、
買いのシグナルはほぼゼロになり、売りのシグナルが99%近くになっていたが、
例外として「1540 純金上場信託(通称:金の果実)」は新高値を付けている。

これ以前に買っていた人は、ここで大きな含み益が出ていたはずだが、
このシグナルをもとにして、この日に「買い」注文を出すと、どうなったか?

タラレバ玉帳「1540 金の果実」

結果は、直後に急落して、10%以上の含み損を抱えてしまうことになる。
もし信用取引で買っていた場合は、損切りを執行しなければならなくなる。

2020年2月25日で、このチャートを見ていたら、ここで買うのはさすがに躊躇する。
これぞ本当の「高値づかみ」である。


2020年3月13日の、損切り執行時にチャートを見ていたら、このようになる。


「1540 純金上場信託(通称:金の果実)」を現物株として買っていたら、
損切りは行わずに、含み損を無視して保有し続けることになるが、その場合、
2月25日の高値を上抜けるのは、6月29なので、4ヶ月以上も安心できない状態が続く。


さて、もう一度、前掲の 週足チャートを見てみよう。
15,000円間近の現在の状況から見れば、ほんのちょっとの値動き、くらいにしか認識できない。


長期的に、こういう流れで上昇していくことを確信できているならば、
迷うことはないだろうし、安値付近で買い増すことだってできるはずである。

もし大きく下落しそうな場合は、
一時的に、ヘッジ玉としての空売りも行って両建にしたうえで、
売りポジションで利益を重ねて、損失軽減するというテクニックもある。

が、そんな面倒なことを一切せず、チャートも一切見ないで、
定期的に買い増ししていくか、買い増しせずに放置する、という方法でも
最終的には利益になっていることは変わりはない。

いざ、株式市場の暴落が起きて、金の価格も一緒に暴落した際に、
慌てず、迷わず、対処できるように、
過去相場でシミュレーションによる検証をしておくことは有意義だと思う。

投資は自己責任で行うものなので、他人のせいにしないためにも、
しっかりと自分で分析して、納得&確信できる状態にしておきたい。


2025/06/25

直前の高安レンジ幅と、損切りラインまでのリスクを計算する

デイトレでも、スウィングでも、中長期の投資でも、
売買のエントリータイミングは、やはり、
狭いレンジからのブレイクアウトが基本になる。

移動平均線の収束と拡散も同じ狙いである。

直前のレンジ幅が狭いと、ブレイク時の速度と利幅が大きいし、
損切りライン(直前の高安値)までのリスク幅も小さくなるので、
ここでトレードできれば、かなり優位性がある。

中長期投資の場合は、さらにファンダメンタルズも考慮すれば
さらに優位性が出てくることになる。

デイトレの場合は、リスク&リワードの計算してくれる既成ツールがあるが
中長期の株式投資では、そういう気が利いているツールが見つからないので、
見つかるまでは、自分で計算してみるしかない。

まずは、直近●●日の最高値と最安値を計算して、そのレンジ幅を計算し、
レンジをブレイクした時に、その前日までのレンジ幅を確認すればよい。

損切り許容額(3%、5%、8% 等)をあらかじめ決めている場合は、
前回の高値と安値を逆方向にブレイクされたら損切りになるのだから
前回の高値と安値までの値幅が、損切り許容額よりも小さい方が安全になる。

直前のレンジ幅が狭いと、その条件が満たされやすい。

というわけで、とりあえず作って、自作ツールへ反映させてみた。
それが本当に有効なのか?は、過去のチャート事例で検証してみればよい。

これを検証するには、以前作った「タラレバ玉帳」を流用するのがよさそうだ。




2025/06/22

新しいノウハウに基づいた「自作ツール」を作成中!

この4月に、林則行先生の「投資部」に入会したことで、
今まで知らなかった(というより捨てていた)知識を
新たに学び直す機会を得ることになった。

テクニカル的な話は、新たに学ぶこともあったが、
すでに著書の中で紹介されているものも多いし、
ノウハウの本質は、どちらかといえば
ファンダメンタルズ分析の方が中心なので、
自作ツールの活用の方法も変わってくることになる。

今までもそうだったが、自作ツールを使う目的は、
トレードシグナルを「答え一発」で出すこと ではなくて、
自分が銘柄候補を発見・分析するのを効率化・省略化するため、だった。

それで今回、新しいノウハウに基づいた自作ツールを新たに作成することになった。




今までのツールがベースだが、中身はガラっと変わっている。

今までになかった要素は「新高値」「新安値」の要素である。
短期トレードでは「高値買い」は御法度で「押し目買い」を狙うが
長期トレードでは、それが逆になる。

やや長期の株式投資では、
週足・月足がトレード足で、日足がエントリー足になってくるので、
日足の高値ブレイクと安値ブレイクが重要シグナルになってくる。

その他にも、チャートの黙示チェックだけだと判定が難しい指標を、
このツールに取り込んで、一覧的にチェックできるようにしてみた。

おそらく今回学んだノウハウの中で、
林則行先生が考案したオリジナル指標である「売り圧力レシオ」は、
会員向けに標準提供されているツールだと手数がかかりすぎるので、
これだけはどうしてもシステム化する必要が出てきた。

ちなみに、林則行先生のオリジナル指標である「売り圧力レシオ」は、

の書籍でも紹介されているので、公開情報である。

これを毎晩、自動更新し、過去へ遡って、その日時点でのシグナルを見ることができる。

テクニカル的には、あともう少し、要素を盛り込む予定だが、
そこから先は、ファンダメンタルズ情報を参照することになるのだと思う。

これについては、既成ツールが使えればそれを使うけど、なければ、
EDI-NETのAPIから、決算情報を自動取得して、参照することになるかもしれないけど、
そこまで複雑な分析は必要ないかもしれない。

まずは、テクニカル要素のものだけを完成させて、使い始めてみようと思う。


2025/03/29

会社四季報を無料でフリーワード検索してチャート表示できる方法

最近、口座開設すれば無料で会社四季報を閲覧できる、という証券会社が増えてきた。
私は、立花証券の口座で、会社四季報レポートを閲覧していたけど、
SBI証券、楽天証券等の大手ネット会社でも普通に閲覧できている。

でもそれはあくまでも、特定の銘柄を指定して会社四季報の情報が閲覧ができる、という機能にすぎない。

銘柄コードを個別指定したり、スクリーニングやランキング等で表示された銘柄を選んだりした後に、1社ずつ選んで閲覧していくことしかできない。

本文や株主情報等から、フリーワードで検索したかったら、本家本元の「会社四季報オンライン」の有料プランを利用するしか方法がなかった。

と、そう思っていたら最近、「三菱UFJ eスマート証券」という会社だと、無料で会社四季報のフリーワード検索ができるということを知った。

実はこの証券会社は、私も利用中である。

もともと「カブ・ドットコム証券」という名前だった時に口座開設をして、その後「auカブコム証券」という名前に変わっていたが、2月から今の名前に変わっていた。

「三菱UFJ eスマート証券」の、「kabuステーション」というPC用の取引ツールをダウンロードしてインストールすると、会社四季報のフリーワード検索が利用できるようになる。

そして、閲覧できる情報も、以前は一部だけだったけれども最近、書籍とほぼ同等の情報が掲載されるように改善されていた。本文の一部をコピペ(コピー&ペースト)できるのも嬉しい。

kabuステーションの「四季報検索」機能
https://kabu.com/kabustation/manual/shikiho02.html

ちなみにこの「kabuステーション」という取引ツールは、
カブ・ドットコム証券時代は APIも使えるし、スマホアプリもあったりして便利なツールだったけれども、有料だった。

今は、スマホアプリが廃止されたけれども、PC版が無料で利用できるようになった。
その代わり、APIは上位プラン(プロフェッショナルプラン)のみになっていた。

「四季報検索」機能だけならば、無料のプランでも使えるらしい。

これは、投資以外の分野でも、非常に役立つ。
フリーワード検索は、会社名やコメントだけでなく、株主の名前、役員の名前、住所等でも使えるので、とても役に立つ。

もちろん、会社四季報をもっと深読みできるレベルになったら、
本家本元の「会社四季報オンライン」の有料プランを利用しようと思うけど、
「kabuステーション」自体がすばらしいチャート機能を持っているので、こちらは手放せない。

「kabuステーション」は、ポイント・アンド・フィギュアも表示させることができるし、チャートや移動平均線の値や色も変更することができる。

そして何よりも便利なのが、会社四季報のフリーワード検索結果で企業を選択すると、会社四季報の情報ページとチャートを同時表示させることができることである。

kabuステーション

今後は「三菱UFJ eスマート証券」の「kabuステーション」をもっと利用していこうと思う。


2022/08/28

長期横ばい銘柄(ADXBBW指標)推移表を作ってみた

 半年前くらいに作った「長期横ばい銘柄(BBW指標)推移表」を、少しリメイクしてみた。

この表は、ボリンジャーバンド幅(Bollinger Band Width Ratio) の
収束状態を時系列で見るためのツールで、
膠着状態からの離れを狙ってエントリーするための
候補銘柄を探すためのものである。

もう少し精度を高めるために、
BBWだけでなく、ADXの値と、日足移動平均線(MA)の収束状態を加えてみた。
それが、「長期横ばい銘柄(ADXBBW指標)推移表」である。

長期横ばい銘柄(ADXBBW指標)推移表


「ADXBBW」というオリジナル指標は、ADXとBBWの値の単純平均である。
この表ではさらに、日足のADXBBW と 週足の ADXBBW の単純平均を使っている。
この値が 10~20 くらいの範囲で推移していたら、トレンドレスの膠着状態である。

さらに、日足移動平均線(MA)の収束状態 を加えたいけど、
数値で表現するのは難しいので、色で表現してみることにした。

相場師朗先生の移動平均線の色ルールを応用して、
終値の近く(±1%以内の乖離)に位置する移動平均線を
次の4パターンに色づけしてみることにした

 緑色: 終値 + 5日MA + 20日MA
 青色: 終値 + 5日MA + 20日MA + 60日MA
 紫色: 終値 + 5日MA + 20日MA + 60日MA + 100日MA
 橙色: 終値 + 5日MA + 20日MA + 60日MA + 100日MA + 300日MA

こうすると時系列で見ていくことができる。

長期移動平均線が含まれる場合、このようなチャートの形をしていたりする。
2702 「マクドナルド」(日本マクドナルドホールディングス)チャート

こういう銘柄を探して、気長に、上下いずれかの飛び出しを狙うのに、
このツールは役立つはずである。




2022/05/30

週足完成日(週末日)と 月足完成日(月末日)を一覧表示させる機能を復活

以前の記事:「週足完成日 と 月足完成日 の、直近1年間のカレンダーリンクを追加

に記載していた、週末日と月末日だけのカレンダーリンク機能は、
あまり使わなかったので廃止していたが、
過去の仮想トレード(つもり売買)をやるうえで、
あると便利な機能だったので、今回、復活した。


シグナルサマリーのリンク
シグナルサマリー


左下の [ 一覧 ] というリンクをクリックすると、一覧が開かれるので、
日付をクリックすれば、シグナルサマリーの該当日が表示される。

週足完成日と月足完成日の一覧

仮想トレード(つもり売買)練習をする場合に、
「週足完成日」を対象にする理由は、

本番でもそのようにやる予定だから、である。

専業トレーダーではない場合、
週末の土日の間に、金曜日の終値をベースにしたスクリーニングに基づいて、
トレードの判断を行うというのをルーチンワークにすると、続けやすい。

一貫したルールで、規律をもって、トレードを行っていくためには、
予定していなかった銘柄を思いつきでトレードするようなことがあってはならない。

週末に、スクリーニングしてトレード候補にした銘柄 意外には手を出さない。

練習では、そんなことは簡単で、あたりまえのことだと思うかもしれないけど、
本番で、それを徹底するのは実は難しく、理想と現実のギャップ を思い知る。

自分の、恐怖心と欲望、あるいは 市況情報等の余計な情報に惑わされて、
ぜんぜん予定していなかった売買をしてしまうことがある。

恥ずかしい話だが、私は今でも、そういう癖を脱する事ができていない。
それをやると必ず、大失敗を犯すことは学習済みであるが、完璧ではない。
情けないかもしれないけど、自分の「意志の強さ」には、期待すべきではない。

時々、成功率の高いトレードシグナルをせっかく提示してくれているのに、
どういうわけか、それと逆のことをやってしまうことがある。

それはまるで、自分の中に「悪魔のささやき」をしてくる存在が本当にいるかのようで、
それに従った結果、必ず失敗して、前回の利益を帳消しにしてしまう。

「あともう1日待った方がいい」 「今すぐ利益確定した方がいい」
というような ささやきは、たいていその類いであり、ハズレることが多い。
迷うと、「何もしない」 という行動になるので、大きな損切りになって失敗する。

自分の中の「悪魔のささやき」に対抗する方法は、論理性と規律性だと思う。

トレードシグナルをもとに、一貫性のある基準で、規律をもってトレードできれば、
そこに余計な「悪魔のささやき」など、入り込む余地はなくなるし、
むしろ、トレードシステムの改善に「悪魔のささやき」を役立てることもできる。

自分で納得のいくトレードツール と トレードルール を手に入れたら、
それを ルールどおりに活用していくための「習慣づけ」が欠かせない。

本番さながらのルールで、過去データで練習したり ルールの検証を行うために、
今回の 「週足完成日または月足完成日 一覧」を活用するつもりである。

それは、週末または月末に 計画した以外のトレードを絶対にやらないぞ!
という、自分自身への戒めのため、でもある。 私は、システムを、そのために、使う。


2022/05/13

RSI(相対力指数)のダイバージェンシーを見落とさないように、増減の「矢印」を追加してみた。

RSI(相対力指数)は、参考程度にしか役立たない、のだが、
時々、ものすごく頼りになる場面がある。

それが「圧倒的なトレンド相場の終焉」の時である。
この瞬間を見極められないと「逆転負け」するかもしれないので、とても重要である。

「圧倒的なトレンド相場」がずっと続いていて、
ADXの上昇も止まらないよう状態の時であっても、
RSI(相対力指数)が ダイバージェンシー(逆行現象)が現れた時、
つまり、株価の値動きの方向とは逆方向に動き始める現象が起きた時は、
反転が起きる前兆になる、かもしれない、ということである。

もし、早めに利益確定して その後の利益を取り逃したとしても、
「逆転負け」で損失を喰らうよりはマシである。

しばらく値動きが揉み合った後に、
また再び株価の値動きの方向と順方向に動き始めたら、
トレンドが継続したと判断してもいい場面かもしれない。

ということで、増減を示す「矢印」を画面に加えてみた。
これだと、見落とすこともなくなるだろう。


ちなみに、
週足RSIの増減は、前週末日からの増減値、であり、
月足RSIの増減は、前月末日からの増減値、である。
週の途中、月の途中では、その増減値はどちらも「暫定値」である。

最後に、
RSI(相対力指数)の開発者であるワイルダー氏も自身の著書で、
ダイバージェンシーについて、説明しているので、引用しておこうと思う。


5. ダイバージェンシー
マーケットの転換点のたびに起こるわけではないが、重要なポイントにはたいてい表れる。
はっきりとした方向性を持つ動きに続いて、ダイバージェンシーが表れると、
転換点が近いことを示す強いシグナルになり、これこそが RSI の最大の特性だといえる。


J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア. ワイルダーのテクニカル分析入門——オシレーターの売買シグナルによるトレード実践法 (Kindle の位置No.819-821). パンローリング株式会社. Kindle 版. 


2022/05/08

最強のトレーディング手法を自分のノウハウにしていくための考察

株式の投資・トレーディングに関する手法は、数えきれないほどあり、
非常に高額な、投資スクール、教材、ツール、メルマガ等が溢れている。

なかには非常に優れたものもあれば、ボッタクリ的なもの もあるけど、
それを決める基準は「自分の目的やレベルに最適なものか?」による。

たとえば、自分でトレードした経験も、利益を得た経験すらもない先生が作った
仮想のノウハウでも、机上の学問(「~~学」)が好きな人には、最適かもしれない。

人間の「職人技」、つまり技能を重要視する裁量トレードを極めたい人には、
相場師朗さん や 維新の介さん 等の、相場の本質をきちんと押さえた、
職人技トレード(実は「真のテクニカルトレード」)が最適である。

実際には、
ハードルの高い「職人」までを目指すわけではなく(or あるいは断念中)、
せめて日常業務でのルーチンワークのごとく、小さくてもいいから
着実な成果を目指したい、という人が多数派ではないかと思う。

だからこそ、このような考えの人たち(シロウトさん)に向けて、
非常に高額な 投資教材や投資ツール が溢れている。

 「何もせずに、シグナルに従って、売り・買い するだけでOK!」
 「AIを駆使した自動トレードで、誰でも億万長者!」

というような悪臭を放つ「高額教材」「高額ツール」は、
株で損をして 資産を失った人こそが、今までの損を取り返そうとして、
ダマされて(?)、飛びついて、買ってしまう ものらしい。
すでに儲かっている人は、そんなものを買わない。

20年前、15年前、10年前、の広告を見てみると、
いろんな先生、教材、ツールがあっても、その後、いつの間にか消えていて、
新しいものが代わる代わる登場して、結局、現在に至るまで
現存しているものは、ほとんどなく、ボったくって消えていったのだろうと思う。

それは、全部が全部ダメだったわけではなく、
20年間の歳月の間に起きた「相場環境の変化」にも耐えられない
「不完全なもの」だっただけなのかもしれない。

勝率の高い手法は、相場環境が変わると前提条件が変わるので、
検証期間を長くとればとるほど、勝率50%に限りなく近づく。
勝率が20%だと、逆をやれば勝率80%なので、そんなのも、あり得ない。

私は、たくさんの手法を、30年分の過去データで検証してきた結果、
高勝率を追及する「ただ一つのノウハウ」を探し求めることの無意味さを理解した。

私が現時点で考える「最強のトレード手法」は、
相場の状況の変化に応じて手法を使い分けることができる手法 である。
まだ分析途中だけど、ADXという指標は、かなり有効的だという感触がある。

トレンド相場の時と、もみあい相場の時 をシステム的に判断できれば
トレンドフォローをやるのか、休むのか、さや取りするのか、仕込むのか 等、
それぞれの状況に応じたトレード手法を適用すればよいことになる。

しかしながら、現実の相場で、それを応用しようとすると、
正確な売買シグナルを出そうと思えば、タイミングが遅れることになり、
最適な売買シグナルを出そうと思えば、正確さが劣る(ダマシが多い)、
というトレードオフをかかえることになり、そのバランスをとるのが難しい。

相場の予測は、天気予報 と同じジレンマをかかえている。

後付けならば100%正確な予測が可能だけど、そんなのは、もう役に立たない。
結果が出る前に 事前予測してくれる情報 だからこそ、
的中率が70~80%程度であっても、その情報を有効活用することができる。

天気予報の正確さは、直前に近づけば近づくほど、100%に近くなっていくが、
「前日」に、最大限の的中率を発揮してくれればよい。

でも、台風のような 大きな影響力をもつ存在 がどちらに動くか?で、
予測が大きく覆る (大雨の予測なのに 晴れになる) こともあり、
これも相場の世界と似ている。

相場の世界は、参加している人間同士のゲーム盤上で行われるので、
自然界の現象とは比べ物にならないほどの、不安定要素があるけど、
台風並みの影響力をもつ 「巨額マネー」 の動きにより、流れが変わる。

過去の四本値データだけを使って、過去の相場を分析するのは、
過去のお天気データだけを使って、過去の天気予報を分析するのと同じ行為だが、

相場と天気の違いは、「人為的な要素」の影響度 である。

天気も、人工台風や枯葉剤等の気象兵器による人為的要素はあるけれども、
ほとんどは自然界の要素で決まるものである。
相場は、バランスの法則やフィボナッチの法則等の自然界の要素もあるけれども、
ほとんどは人間どおしのゲーム的要素が強いと思う。

ランダムウォークの時があったり、強いトレンドになる時があったりするけど、
その足跡は、相場の 四本値+出来高 に、事実として記録されている。

だからその「人為的な要素」、つまり ある程度予測可能な要素 だけを見出し、
活用していくという目的ならば、過去のシステム分析結果を有効活用することができる。

そして、トレーディングにおいて期待する 的中率 は、天気予報と同じく、

売買判断の前日に70~80%程度 で、十分に事足りることになり、
100%正確なシグナルを求めた時点で、もうすでに一歩出遅れている、
つまり "利益を剥奪されている"(負け組に所属) ということを意味する。

売買判断の前日に70~80%程度の的中率の情報があれば、
その予測をもとにして、当日(明日)の売買判断を下すことができる。

私の自作トレーディング用ツールの主な目的は、

自動的に売買判断を下すための「売買シグナル」を提示すること。
ではなく、
自分が売買判断を下すための「天気予報」を提示すること。

である。

天気予報からの情報を得た結果で、

 晴れだったら、どうするか?
 雨だったら、どうするか?
 くもりだったら、どうするか?
 雪だったら、どうするか?
 台風が近づいていたら、どうするか?

という判断をして、明日の行動につなげる必要がある。

このような、状況に応じた自分の対応策 こそが真のノウハウだと思う。

ビジネスにおいても、天気予報の情報に基づいて、
イベント開催の計画、商品の仕入・展示の計画、
等をしっかりとシミュレーションして決めていたりして、
それが企業のマル秘ノウハウになっていたりする。

個人のトレーディングにおいても、しっかりとしたノウハウがないと、不安定である。

このノウハウは、書籍、セミナー、そして トレードツール 等での知識をもとに、
自分の頭と手足を使って、実際にトレーニングして、体で覚えなければ身に付かない。

そのトレーニングは、できるだけ、臨場感をもって、リアルに体験したい。

だから、過去データを使って仮想トレード(つもり売買)する場合でも、
その日時点で見えている相場状況、を追及している。
週足や月足は、その日時点ではまだ未完成かもしれない 値を使って、
すべてのシグナルを判定している。
週足ADX、月足ADXを使う場合は、未来の終値データなど、全く意味をなさない。

本番トレード をやるのに、
仮想トレード(つもり売買)と同じツールで、同じ判断で練習どおりにできれば、
自信をもって、本番トレードに臨むことができるはずである。

会社での日常業務でのルーチンワークのように、いちいち一喜一憂せずに
淡々と、仮想トレード(つもり売買)練習 および 本番トレード が
できるようになれば、着実な成果を目指すことは可能だと思う。

そういうツールを作って、自分で活用できるように追及していこうと思う。

2022/05/05

「株式トレーディング練習帳」に、銘柄を厳選するための「優先度シグナル」を追加。

「株式トレーディング練習帳」で、最初に観察対象の銘柄を厳選するのに、
「ADX」が上昇中のものを見つけやすくするために、
「ADX」の方向を示す矢印を付加してみた。

これを目印にして、最低限、「日足ADXが上昇中」のものを選び出して、
バックテストによる検証や「つもり売買」の練習をやってみる、
という使い方ができるようになるので、少しは便利になったかもしれない。

でも私は、とても面倒くさがり屋の人間なので、
それだったら、ついでに、

画面上に分かりやすい目印をつけて、一発で探せるようにしたい!

と考えるので、さっそく 実現してみた。

株式トレーディング練習帳 ver1.2

一番右の「備考」という列に、売買シナリオを勘違いしないように、
「買いのみ」「売りのみ」という、おせっかいコメントを入れているので、
その左側に、シグナル記号を入れてみることにした。

シグナル記号は次の2種類である。

○: 日足ADXが上昇中で、トレンド方向(+DIと-DIの順番)が合っている
◎: 日足ADXと週足ADXが上昇中で、トレンド方向(+DIと-DIの順番)が合っている

これだけのことである。

これからエントリーするための銘柄を探す場合は「ADXが上昇中」を選ぶけれども、
すでにエントリー済みで利益確定待ちの場合は「ADXの上昇が終了」を待つ。

長期横ばい中銘柄(BBW収束中)の場合は、ADXが限りなく下落している状態から
BBWと同時に「ADXの上昇が始まった」時が狙い目になる。

こういうことを、バックテスト練習で検証しようとしたら、
できるだけ 単純な手作業は システム化して手間を省いて、
「検証」「考察」そして「練習」にこそ、貴重な時間を割いた方がよい

自分の力で検証し、トレーニングして得ることのできた「技能」こそ、
未熟なトレード技術で偶然得られた「一時的な利益」なんかよりも価値がある。

どんな相場でも、相場の変化に適応して、元本を失なわないトレード法。
トレード機会は少なくてもいいから、確実な勝利を目指すべきである。

「ADX」が上昇中のものだけを、 エントリー待ちの銘柄観察に絞り込む。

株式トレーディング練習帳で、観察対象の銘柄を厳選するのに、
「ADX」を追加の判断材料として使うのがよいが、
重要なのは「ADX」の値ではなく、むしろ その方向である。

時系列で見ていく分には、ADXが上昇中なのか下落中なのか
すぐわかるので、わざわざ画面に出していなかった。

「ADX」の値がいくら高くても、下落中だと、
トレンドが終焉していることが多いので、
そんな銘柄に飛び乗ってはいけない。

今まで上昇中だった「ADX」値が下落に転じた時は、
新規エントリーではなく、手仕舞い(利益確定 or 損切り)
を行うフェーズだからである。

そんなにも大切な「ADXの方向」を今まで表示していなかったので、
今回、わざわざ表示させるように改良してみることにした。

株式トレーディング練習帳

トレンドフォローでのエントリー候補銘柄を探す場合、
ADXが下降中の銘柄は除外してもよいかもしれない。

最近作った「株式トレーディング練習帳」では、
ADXが上昇中」という銘柄だけを優先的に
観察していくのがよいと思う。

最強のトレンドシグナルが出た時、
(パーフェクトPPP、パーフェクトADX 等)
ADXが山越えでピークアウトしていたら、
そろそろ終焉かもしれないので、利益確定を考える。

でもトレンド方向が変わらない状態で、
ADXが上昇中」のまま変わらなければ、
そのまま利を伸ばしても大丈夫と判断することができる。

上昇トレンドだろうが下降トレンドだろうが、トレンドフォローにおいては
ADXが上昇中」というのが必須条件である。

2022/05/03

「パーフェクトADX」つまり 日足・週足・月足で DMI(方向性指数)が揃う日 に着目せよ

パーフェクトオーダー あるいは パンパカパン(PPP) は、
複数の移動平均線の向きと順番が揃うことを示す指標であり、
強いトレンドを示していることを意味する。

トレンド方向を示す、もう一つの有効なシグナルとして、
DMI(Directional Movement Index。方向性指数)というものがあり、
その一部である ADX で、その信憑性を図ることができる。

DMI には 2本の線がある。
上昇トレンドを示す +DI と、下降トレンドを示す -DI である。

この2本の線も、移動平均線と同じように、
日足、週足、月足で方向性が揃うと、
さらに有効なシグナルになるのでは? と、当然、考えてみたくなった。

とりあえず、日経平均株価の DMI&ADXデータで見てみると、
たしかに、期待どおりの結果が得られそうである。

まずは、次のような、少し厳しめの条件で抽出してみたら、
たしかに、圧倒的なトレンドの日が抽出されてきた。

 ・日足&週足&月足で、トレンド方向線(+DM と -DI)の順番が一致
 ・日足ADXが30以上、週足ADXが20以上、月足ADXが10以上で、
 ・日足ADXが上昇中

とりあえずこれを仮に、「パーフェクトADX」と名付けておこうと想う。

日経平均株価の「パーフェクトADX」

ただし、この厳しい条件だと、圧倒的なトレンドの終盤に近いので、
数日内で利益確定しないと痛い目を見る という結果になる日である。

条件をもう少し緩和すれば、もっと早い段階の日を抽出できるけど、
これは移動平均線と同じ話なので、これを最適化しても報われない。

むしろ、この「パーフェクトADX」になるケースの日は、
トレンド終焉が近いかもしれないので、それを警戒しながら使うべきである。

株価が上昇中なのにADXの上昇が止まるというダイバージェンスを確認した時か、
日足のトレンド方向が変わって「パーフェクトADX」の条件が解かれた時、
間もなく「急落」するかもしれないと予想すべきである。

すかさず利益確定するか、ヘッジ玉を入れておくか等、対処をすることができる。

過去の似ている相場の日を探して、銘柄選定の練習をするのも必要だけど、
まず最初に「パーフェクトADX」のような、両極端なパターンを知って、
机上で(練習で)痛い目を見る経験をしておくのも有益かと思う。

そういうふうな練習をやりやすくするために、
私の自作ツール群のポータルページである

日本株・米国株・FXトレーディング用の、銘柄選択アシストツール
https://kabu.hosono.jp/

を、日付指定ができるように改良してみた。
日付を切り替えた後は、その日付を対象に、各ツールのページが開かれる。

日本株・米国株・FXトレーディング用の、銘柄選択アシストツール https://kabu.hosono.jp/

まずは、上記の「パーフェクトADX」の対象日付を検索して、
各ページを開いて、確認してみることをお勧めしたい。

少なくとも、 

 ・PPP(パンパカパン) 推移表
 ・観察銘柄スクリーニング

のページは、各日付を 比較しておきたい。

そして、前の記事で紹介した「株式トレーディング練習帳」を使った練習を、
ぜひこの日付でやってみていただきたい。

直近だと、「2022/3/8」 と 「2021/9/14」 が、記憶に新しいかもしれない。
新しいものから見ていくとよいと思う。

2022/05/01

ADX と RSI を使う人の必読書「ワイルダーのテクニカル分析入門」

高額だけど役に立つ本の一つに、
ワイルダーのテクニカル分析入門」という本がある。

私が使っているテクニカル指標である RSI と ADX の開発者による解説書である。

約20前に、この本を \10,800円で購入して読んでみた時は、
期待したわりには内容も薄く、ただ高いだけの本だと思っていた。
しかも、A4サイズのデカすぎる本なので、本棚の奥に隠れていた。

それが約1年前、Kindle版が 500円の特価で売られていたので、
久しぶりに読んでみたら、今まで見えなかった 行間 が読めてきて、
とても意味深い本であることに気がついた。

20年前と違って今は、自分で過去30年分の株価データの四本値をもとに
自作システムで RSI も ADX も計算して分析した経験もあるので、

「作者が 何を知りたくて、この指標を考案したのか?」

という観点で読むことができたからである。

肉眼で見ることのできる「計算式」や「使用例」という
結果物を見ただけでは知恵など生まれない。

むしろ、
肉眼では見ることのできない真の原因、つまり、

作者の "思い"、"ひらめき"、"気づき"、"情熱"、"こだわり" 等

こそが、最も重要な 情報(知恵) だった。
それを考えると、 \10,800円 + 500円 は、高くない買い物だったと実感している。

その後私は、「ADX」(DMIを含む)という指標をとても重要視するようになった。

私の自作分析ツールで、ADX を入れるようになって、
その成績を見ると、一目瞭然かもしれない。

トレンドフォロー系の大半のテクニカル指標やシグナルの
「信憑性」があるのか? という最も肝心な疑問に応えてくれるのが
まさに「ADX」であるからである。

つまり、ADXの値が低い場面は、PPP(パンパカパン) ですら信憑性は低い、となる。

そして「ADX」は、日足だけでなく、週足と月足も複合して見ると、
さらに有効なシグナルになる。

でもその有効なシグナルを知ったとして、
勝率をもっと高められるのか? 利益をもっと確保できるか?
は、さらにもっと別な技術が必要になる。

そのシグナルをもとに、どういうトレード判断をして、どういう注文を出すか?

というような技術である。

 ・シグナルが出る前に 見切り発車で 素直に仕掛けるべき場面
 ・シグナルが出る前に 見切り発車で 逆に 仕掛けるべき場面
 ・シグナルが出た後に 遅れて 素直に仕掛けるべき場面
 ・シグナルが出た後に 遅れて 逆に仕掛けるべき場面

等の見極めである。

これを全部完璧に、システム的にやろうとしたら、プロには絶対勝てない。
プロのディーラー等は、スーパーコンピューター(スパコン)を使って
全パターンを常に実験して、最適な方法でやっているはずである。

一般の個人投資家は、
「分からない場面は、やめておく」 という行動ができるのが強み
なので、

その「やめておく」の判断のために、システムを活用すればよい。

システム判断なんてなくても 誰でもうまくいくような場面であることの裏付けとして、
目に見える形で数値で提示して、怖がっていてわがままな 自分を納得させること

これこそが、私がトレーディングツールに求める条件である。

世の中に、そういう 理想のシステムが存在しないので、
自分で今、試行錯誤しているけれども、
理想のシステムが存在しないからこそ、
ワクワクした期待感に満ちた作業になっているのかもしれない。

「ワイルダーのテクニカル分析入門」の おわりに の部分を読むと、
作者(ワイルダーさん)の気持ちが、今ならば、よく分かる。
最後に、引用しておこうと思う。
(ディレクショナルムーブメント・インデックス = 「DMI」。 ADX はこの一部)


おわりに

 本書の冒頭に、ひとつのシステムを使って、すべての市場において安定した利益を上げることはできないと述べた。

トレンドフォローのシステムは、方向性のある市場では一貫して利益を上げる反面、方向性がなくなると一貫して損失を出してしまう。

つまりトレーダーに必要なのは、手持ちのデータを使って方向性を見極め、それを数値に置き換える方法だということになる。

これに対する筆者の答えは、ディレクショナルムーブメント・インデックスである。

これが最善あるいは最終的なものかどうかは分からないが、筆者の知るかぎりでは最初の決定的な打開策だと思う。

 筆者はこれまでにも検証とチェックを重ね、「究極の方法」だと思えるシステムをいくつか考案してきた。そしてそのたびに研究に没頭するのはやめて、このシステムでトレードをしていこうと思うのだが、結局、また今朝のように、夜中の3時に目が覚めて、新しい概念を思いついてしまう。

こうなると、もうそれを追求するほかはなく、これは永遠に終わることのない研究ではないかと思うこともある。

 もし早朝の啓示がこの先も続くのなら、いつの日か本書の続編を書くことになるかもしれない。

 そのときまで、良いトレードを続けてほしい。幸運を祈る。

J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア.ワイルダーのテクニカル分析入門 ——オシレーターの売買シグナルによるトレード実践法(Kindleの位置No.1357-1368).パンローリング株式会社.Kindle版.

2022/04/29

ローソク足と移動平均線以外のテクニカル指標の成績は、せいぜい50%だと割り切る

「日経225先物」チャート約30年分を、
ローソク足と移動平均線以外にいくつかのテクニカル指標を付加して
1日分ずつ日めくりしていく結果、何を思い知ることになるか?

時々現れるすごいシグナル、たとえば 複合的なゴールデンクロスや、
高値・安値抜け等 のシグナルが出た時に

「これは最強の 買い のシグナルだから上がるに決まっている!」

と思ってみると、その後はぜんぜん逆の動きをすることが多い。

では、トレードシグナルやテクニカル指標は役に立たないのかといえば
そんなことはなく、すごく役立つこともある。

で、結局、トータルでは、当たるも八卦当たらぬも八卦 で、
せいぜい50%くらいの信頼性しかないことを思い知って、
がっかりするかもしれない。

つまり、約30年分のチャートを追体験してみることで、

 「完璧なトレードシグナルやテクニカル指標など、無い!」
 「結局は、五分五分くらいにしか信用できない!」

ということを思い知る、とても残念で辛い教訓を得ることができる。

考えてみれば分かることで、
もしシステム判断だけで100%当たるシグナルがあれば、
プロのディーラー等がそれを使って自動的に儲けるので、
一般人がそれに勝負を挑んでもナンセンスなのである。

一般人は「ド素人ならでは優位性」を活用しないと 勝負にすらならない。

シグナルや指標が50%程度にしか役立たないものだと割り切れれば、
「当たる時」とはどんな時か? を知って、
「当たる時」にだけ活用すればよい、ということになる。

それは、圧倒的な形勢 になっている時が多い。しかし・・・

強い上昇 または 下降トレンドが明確になってきた時に、
そのシグナルが出たことを根拠にエントリーすれば「遅すぎる!」
ということも多く、それは「当たらない時」の側にカウントされる。

逆に、本当のエントリーポイント(押し目、戻り目等)の時は、
不安定な時期なので 当てにならないシグナルを出すことも多く、
それも「当たらない時」の側にカウントされる。

トレードシグナルは、一歩遅れて現れるものだから、次のようなことが言えると思う。

 ・エントリー時は、トレードシグナルは当てにしない(遅効性があるため)
 ・トレードシグナルは、買い玉 or 売り玉 の 保持 or 追加 の根拠に使う
 ・トレードシグナルは、手仕舞い(利益確定 or 損切り)の最終通告に使う

これを踏まえて、過去のテクニカルチャートを分析していきたい。

2022/04/28

RSI(Relative Strength Index)は、日足・週足・月足 を全部確認しておきたい。

RSI(Relative Strength Index)という有名なテクニカル指標がある。

私は今まであまり重視してこなかったけど、
実際に自分で計算して、失敗トレードの分析に使って見ると、
意外に役に立つ指標であることに気づいた。

今から3年前(2019年4月)に、日経平均株価のRSIの値をそのまま、
ポイント・アンド・フィギュア(P&F)の形にしてみたことがある。

細野式ポイント&フィギュア for RSI

この時に、日足だけでなく、週足と月足のバージョンも作ってみたところ、
RSIを MTF(マルチタイムフレーム)で見ると、新たな発見があることに気づいた。

トレードの鉄則は「谷越えを買って、山越えを売る」に尽きるので、
その判断に少しでも役立つのであれば、実用化できることになる。

RSIの一般的な使い方では、
レンジ相場では役立つが トレンド相場では役に立たない、とされているが、
それは主に「日足」チャートのことだけが前提になっていることが多い。

トレンド相場の場合は、その上位の時間枠(週足、月足)のRSI値が参考になる。

日足の上昇トレンドで、RSIが100近くに張り付いているような場合でも、
さすがに 月足のRSIで 90を超えてくると買われすぎでそろそろ天井が近い、
という判断もできるようになる。

日経225先物 や 米ドル/円 等の出来高の多い相場では、
月足RSIで 100近くに張り付くような場面は、さすがにほとんどない。

個別株でも、高値づかみをしたくなければ、
月足RSIが 90以上のものは候補から外しておけばよい。

長期間の膠着状態で、狭いレンジ相場が続くような場面では、
日足・週足・月足の全てのRSIが 50%近くに集まるので、
より信憑性のあるシグナルとして活用することができる。

あくまでも参考程度に活用するならば、役に立つ。

2022/04/21

「過去の似ている相場環境の検索」ツールで、銘柄選定のバックテストを行う意味

個別株のトレーディングでは、「銘柄選定」という要素が重要になる。
数日から数週間という短い期間で行う スウィングトレード では、
ファンダメンタルズよりもテクニカル分析が「銘柄選定」のキモになる。

個々の銘柄のチャート分析による売買判断だけでも、
ものすごい技量を持つ人ならばうまくトレードできるかもしれない。

でも、私のような 並みの技量しか持たない人の場合、
うまくいったり、いかなかったり を繰り返すことになる。

個別銘柄の値動きは、その業種 や 相場全体のトレンド を見て、
風向きが「上方向」「下方向」「横方向」のいずれかを見極めて、
それと同じ方向を向いた銘柄を選んでいけば、失敗は少なくなる。

風向きは、1日ごとに、刻々と変化していく。
その風向きの変化を日々確認しながら
エントリーと利食いを適切に行うことができれば、
それこそが最強のトレード手法ということになる。

確実に勝てるチャンスの場面がどこなのか?を知って、
そのチャンス場面だけトレードに参加し、
それ以外の場面では一切参加しないで次のチャンスを待つ、
ということが徹底できれば、わざわざ失敗する必要はなくなる。

実際、1年のうちに、チャンスは数回しかないかもしれないけど、
トレードの回数を増やして成功トレードを増やすことよりも
失敗トレードを限りなく減らす方が 勝率が高くなる、と思う。

さて、
「過去の似ている相場環境の検索」ツールを使って出てきた
過去の相場の状況を「PPP推移表」を使って確認してみて、

そんな日にトレードを行うと、どういう結果になるのか?

を調べてみることから始まる。


もし、明確な 上昇トレンド または 下落トレンド の場合、
PPP一覧」でリストアップした銘柄の 損益結果を見て、

 ・PPP または PPP赤折れ の銘柄が「買い」で利益が出ている
 ・逆PPP または 逆PPP赤折れ の銘柄も「買い」で利益が出ている

という状態ならば、これは強力な 上昇トレンド なので、
「買い」で飛び乗っても、トレンドの休止になるまでの間に、
「勝ち逃げ」できる自信があれば、参加しても大丈夫である。

週足や月足の RSI指標が 90%を超えている銘柄は避ける等、
自分なりの基準で最終選考を行うことができれば精度が上がる。

逆に、相場の方向性が明確でない時にトレードを行うと、
上がったり下がったりランダムな値動きをするので、
利益が読めない ことになる。

そんなランダムな日にトレードを行うと、どんな痛い目を見るか?

ということを、失敗経験を机上で済ませて、思い知っておいた方がよい。

BBW推移表」を見れば、
相場が膠着状態に入った ことが確認できるので、
次のチャンス「その膠着状態が 弾ける時」を待つ。


膠着状態からの弾け を毎日監視するには、
ポイント・アンド・フィギュア チャートが最適である。

過去の相場において、
次のチャンス「その膠着状態が 弾ける時」を待つために、
チャートを、ゆっくり考えながら、日めくりで進めていき、
どこでエントリーして、どこで EXIT(損切り or 利食い)するか?
を、同じ銘柄の同じ場面で、何度もやってみるとよいと思う。


2022/04/18

「過去の似ている相場環境の検索」ツールに、色を付けてみた。

これから新たに株式トレーディングを始めようとする人は、
損をすることは考えずに、利益が得られることだけを期待して、
いきなり本番で大事なお金をつぎ込んで、見切り発車してしまう。

もともと莫大な資金を持っていて長期投資を行うならば、
損切りをしない限り失敗にはならないかもしれないけど、
少ない資金であればあるほど、そして短期であればあるほど、
成功者は少なくなっていく。

デイトレードになると、ほんの一部の人が
大多数のシロウトさんの損失をすべて 利益として得てしまう。

スウィングトレードならば、動きが遅い分、
じっくり考えて、のんびりしたトレードを行うことができるが、
その分、損失を被った時の金額も大きくなる。

ではどうすれば、勝てるようになれるのか? といえば、
「練習」と「実践」で「経験」を積んで上手くなるしかない、と思う。

デイトレードでは、そのためのすばらしい練習ツールが存在する。
練習君プレミアム」である。

でもスウィングトレードで、しかも個別株ともなると、
理想的な練習ツールが見つからない。

トレダビ」のようなデモトレードができるサービスもあるけれども、
それ以前の、銘柄を選定する過程における練習あるいはシミュレーション
ができるツールについては、理想的なものが見つからない。

私が欲しいツールは、
今日の相場と似ている過去相場を探して、
その日にタイムスリップしたと過程して、
その日時点で見えているテクニカル指標を使って、
銘柄選定や売買判断を行うことができて、
その結果を分析したり反省したりできて、
擬似的に「失敗経験」と「成功経験」を積めるもの
である。

そういう意図で作ってみたのが、
トレード検証用 過去の似ている相場環境の検索」ツールだった。



まだまだ、検索の精度はあまり高くないけれども、
概ね似ていればOKだし、過信しなければ大丈夫、と
割り切って考えて使えば、役に立つかもしれない。

このツールは、PPPレシオ(相場全体に占めるPPPの割合)をもとに
過去相場を検索するものだけれども、数字の羅列なので、
とても見づらいということに気がついた。

せっかく先週、PPPレシオ(相場全体に占めるPPPの割合)に
色を付けてみることをやってみたのだから、
このツールにも適用したら見やすくなるのではないか?
と思いついたので、さっそくやってみることにした。


<日本株バージョン>

トレード検証用 過去の似ている相場環境の検索(日本株)

<米国株バージョン>

トレード検証用 過去の似ている相場環境の検索(米国株)


あくまでも目的は、擬似的な「経験」を積むことなので、
まずは出てきた日付の過去相場を把握してみて、
銘柄選定と疑似売買をやってみるのがお勧めである。

失敗は極力、本番ではなくて 練習 で経験しておいて、
その対処ができてから本番に臨みたいものである。

2022/04/15

移動平均線(MA)が1箇所に密集している銘柄を見つけられる機能を追加

これから大きく値動きしそうな銘柄を選ぶ場合、
移動平均線が密集している状態から拡散し始めた頃が理想である。
相場師朗先生の手法でいうと「ものわかれ」である。

既に移動平均線が拡散してしまった銘柄を選ぶと、
出遅れて「高値づかみ」になる可能性が大きいので、
そうなる前に観察しておいてチャンスを狙うのが基本である。

私の自作ツール群にはもともと、移動平均線が集中している状態を調べる機能があった。
でもそれは「赤(5MA)の近くに他の移動平均線が近くにある」というものであり、
「株塾の公式ツールをパクっている!」 という批判をした人がいたので、取り下げていた。

べつに「赤(5MA)の近く」であることには こだわらないので、
「終値(1MA)の近く」に変えて復活させることにした。

終値(1MA)に対して、終値の1%以内に位置している移動平均線(MA)を表示する
というだけなので、計算式も単純である。

私が勝手に名付けるとすれば、SMAC (Simple Moving Average Convergence) である。
たとえば、NYダウのチャートを見ると、1箇所に集まってくる様子が確認できる。


さてもう一つ、ポイント・アンド・フィギュア(P&F)チャートも
ワンクリックで開けるようにリンクを追加した。

大きく値動きするチャンスだけを狙うトレードを行うには、
BBW (ボリンジャーバンド幅)が長い間収束していて、かつ、
MA(移動平均線)が1箇所に密集しているもの、を狙うのがよい。


2022/04/09

相場全体の概況が一目瞭然の「PPP(パンパカパン) レシオ」に、色を付けてみた。

 個人トレーダーは、どんな銘柄を選ぶか よりも
「どんな状況の時に 参加するのか」を重要視した方がいい。

過去の似ている相場を探して、銘柄選定のスクリーニングをして、
その日の時点で見えているチャートを使ってトレード実習をしてみると、

この先 絶対に上がるはず!
この先 絶対に下がるはず!

と確信できるような銘柄でも、ぜんぜん逆の結果になることが多く、
自信を打ち砕かれて、愕然とすることが多い。
うまくいく銘柄もあれば、うまくいかない銘柄もある。

「チャートはすべての事象を織り込む」というのは事実だけれども、
個別銘柄のチャート分析という「技術」だけが上手になっても、
それだけでは不十分であり、肝心な要素が抜けている。

ファンダメンタルズや出来高等の要素も重要かもしれないけど、
もっと肝心なのは、「時系列」での相場環境分析 なのだと思う。

そのために、私の自作ツールでは、何が何でもまず最初に
相場全体の状況を把握するために、画面上部に全体統計を表示している。

使う指標は、あえて名付ければ 「PPP(パンパカパン) レシオ」 である。

対象の全銘柄の PPP(パンパカパン)と逆PPP(ぎゃくパンパカパン)の割合を
パーセントで示したものである。

PPP(パンパカパン)というのは、相場師朗先生のオリジナル指標であり、
いわゆる「パーフェクトオーダー」、つまり、
短期+中期+長期の移動平均線の順番と向きが揃った状態を、
さらに具体的に定義づけして、より深い意味づけを施したものである。

PPP(パンパカパン)になっている銘柄が全体の5割を超えていたら、
上昇トレンド傾向が強いので「買い」で利益が出せる期待が高く、
逆PPP(ぎゃくパンパカパン)が多ければ「空売り」優勢になる。

いくらチャートの形状が「絶対にどうみても買いチャンス!」であっても、
相場全体が下落トレンドであれば、失敗リスクが大きいので、
私のような技量の低いトレーダーは、見送った方がよい、ということになる。

さて、しかしながら、その「PPP(パンパカパン) レシオ」も、
数字だけだと見づらいし、一目瞭然じゃないので、かなり見落としてしまう。
今日の相場の、風向きと 現在位置 は、最初に確認すべきことなのに・・・である。

だったら、色を付けてみれば見やすいのではないかと思って、
さっそく付けてみることにした。
あまり見栄えは良くないけれども、まず形にしてみることを優先した。

次の3つの相場を比較してみよう。


■今日の相場状況(2022年4月8日)


■上昇トレンド時の相場状況(2021年9月17日の例)


■下落トレンド時の相場状況(2020年3月19日の例)



これをどう活用するか?

過去の自分のトレードを反省し、次につなげるのに、ぜひ活用してほしい。


2022/04/04

株式トレーディングで「鉄板エントリー」のためのスクリーニングをやってみる

株式トレーディングには、いろいろな手法があるけれども、一長一短がある。
いろんな手法を組み合せて「足し算」しても最強の手法になることはないので、
本質的なノウハウだけを消化して、残りはすべて排泄してしまうのがよい。

テクニカル分析だけの短期売買を行う場合、
企業業績等によるスクリーニングはあまり意味がないので、
チャート形状や指標等によるスクリーニングが欲しくなる。

私が今、欲しいスクリーニングは、
「鉄板エントリー」になりそうな銘柄一覧である。
すでになっている銘柄 ではもう遅いかもしれない。
そうなる以前から注目して観察を始めておきたい。

「鉄板エントリー」は、大きく分けて、次の3種類に尽きると思う。

 1.「押し目・戻り目」

 2.「トレンド転換」

 3.長期横ばいからの放れ

これで十分であり、これだけをやることに全力集中した方がよさそうだ。
ということで、さっそく作ってみることにした。

鉄板エントリーを「待つ」ための観察銘柄スクリーニング

対象とする銘柄を「日経225」と「JPX400」の採用銘柄に絞り、
そこからスクリーニングすると、該当銘柄は絞られてくる。

この銘柄はあくまでも「観察銘柄」であり、
エントリー条件を満たすまで毎日観察を続けなければならない。

過去の似ている相場の日を探して、
その日のスクリーニング結果から結果分析ができるように改良してみようと思う。

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