私が使用しているテクニカル指標

株式やFXの短期売買を行う場合に使用するテクニカル指標は、
たくさんあるけれども、役に立つものもあれば役に立たないものもある。
それを決める基準は「自分の目的に合致しているか?否か?」だと思う。

誰でも、どんな相場でも、汎用的に役に立つような魔法の指標 を求めると、
どんどん「抽象的」になり、指標というよりも「格言」レベルになってゆく。
学者や先生になるつもりならば、そういう指標を求めるのもよいかもしれない。

でも、「自分」が 利益を「増やす」ため、という目的ならば、
汎用的・抽象的 な指標ではなく、自分限定の「具体的」指標が欲しくなる。

幸い、世の中には、書籍、ブログ、SNS、セミナー、YouTube動画 等により、
古今東西の、優れた情報やノウハウを 安価に入手することが可能である。

自分の 天命、人生目標、ライフスタイル 等に照らし合わせてみて、
自分が「今、獲得したいノウハウは何か?」の照準をしっかりと定めて、
主体性をもって、情報を取捨選択していく姿勢を持ち続けるならば、

情報洪水の中から まるでショッピングカートのように、
自分の「知的資産」を 恒久的に増やし続けていくことが可能である。

たとえば、私の場合は、次のようなポートフォリオで、ノウハウを位置づけている。

理論と実技のバランスについて

株式投資の話題だと、次のように考える。

株式トレーディングの学習の例

私が、今までの約20年間で読んだ、株式投資の書籍は、
有益なものが多いけれども、ほぼすべてが「ノウハウの断片」であり、
自分の中で 体系立って 知識が整理されていないと、役に立たなかった。

特に、「テクニカル分析」 に関する書籍については、
相場の基礎理論や チャートの読み方 等の 底辺部分のノウハウがないと、

 「その指標は、使う価値があるのか?」 
 「その指標は、どんな時にだけ 役立つのか?」 

ということを理解しないまま使うことになるので、無益である。

私は、これまで、いろいろな本を読んだり、いろんな手法を検証したりして、
多くの「テクニカル指標」を学んでいるけれども、使うものは数種類しかない。

私の自作ツールの画面を例にして、紹介してみようと思う。

移動平均線サマリー


ローソク足チャート と 単純移動平均線(SMA)

ローソク足チャートは、これ自身が テクニカル指標である。
移動平均線は、相場師朗先生から学んだ 設定値 と 色 を使用している。
わざわざ複雑な計算を施しただけの指数平滑移動平均線(EMA)等は、使用しない。

ローソク足と移動平均線


ポイント・アンド・フィギュア(P&F)チャート

価格を大雑把な単位にブロック化して、値動きだけを記録する、シンプルなチャート。
値動きのエッセンスだけが整形して描かれるので、全体を把握しやすい。

私は 2013年に、独自の改良を施した「細野式ポイント&フィギュア」を作成し、
日付(転換日)、滞留日数、現在値 を付加した状態のものを使用している。

ポイント・アンド・フィギュア(P&F)チャート

PPP(パンパカパン)レシオ

相場師朗先生の指標 「PPP(パンパカパン)」および「逆PPP(ぎゃくパンパカパン)」の銘柄が
相場全体に占める割合を数値で示した指標。
時系列で見ていくことで、相場全体の概況の変化を 感じるために役立つ。

参考記事: 「相場全体の概況が一目瞭然の「PPP(パンパカパン) レシオ」に、色を付けてみた。

PPP(パンパカパン)レシオ

移動平均線(SMA)の集中状況

「終値」の上下1%の範囲の間に位置している、他の移動平均線の存在を現す。
直近9日間の推移を見て、続いているようならば、値動きが膠着状態にあり、
上下レンジのブレイクアウト狙いのための候補銘柄になりうる。

参考記事:「移動平均線(MA)が1箇所に密集している銘柄を見つけられる機能を追加

移動平均線(SMA)の集中状況

2本の移動平均線(5MAと20MA)の向き

5期間移動平均線 と 20期間移動平均線 の向きが一致していることを示すシグナル。
日足の場合、週足の流れ(5日MA) と 月足の流れ(20日MA) が同じ方向を向いている
ということを示すので、短期的にトレンドが発生している可能性を示す。

参考記事:「2本の移動平均線(5MAと20MA)の向きが 日足・週足・月足で一致する銘柄一覧(日経225+JPX400)

2本の移動平均線(5MAと20MA)の向き


PPP(パンパカパン) または 逆PPP(ぎゃくパンパカパン)

相場師朗先生のシグナル「PPP(パンパカパン)」をベースにしているが、
厳密にはイコールではなく、派生シグナルも含めたものになっている。
このステータスの変化を、時系列に観察していくことで、売買判断に役立つ。

参考記事:「PPP(パンパカパン) と 逆PPP(ぎゃくパンパカパン) の詳細分類について

PPP(パンパカパン) または 逆PPP(ぎゃくパンパカパン)


「下半身?」  「逆下半身?」「くちばし」「逆くちばし」 および
高値と安値の「切上」「切下」「上抜」「下抜」等の各種シグナル

「下半身?」と「くちばし」は、相場師朗先生のシグナルをベースにしているが、
厳密にはイコールではなく、単なるゴールデンクロスとデッドクロスである。

高値と安値の切り上げ、切り下げ、上抜け、下抜け等のシグナルは、
5MA と 20MA を対象としている。

「下半身?」 または  「逆下半身?」 等の各種シグナル

ADX (トレンド強度)

BBWを除く ほぼ全ての指標・シグナルの、信用度を判断するのに使っている。
ということは、つまり、実は、最優先で使うべき指標 であることを意味する。

トレンドフォローの手法でエントリーする場合は、フィルターとして使用する。

参考記事:「ADX と RSI を使う人の必読書「ワイルダーのテクニカル分析入門」

ADX (トレンド強度)


BBW (ボリンジャーバンド幅)

その銘柄が膠着状態にあるのかトレンド状態にあるのかを客観的に認識するために使用する。
上下のレンジ・ブレイクアウトを待って仕掛ける銘柄をスクリーニングするのに、利用できる。

参考記事:「ボリンジャーバンド幅(Bollinger Band Width Ratio) の 活用法

BBW (ボリンジャーバンド幅)


RSI (相対力指数)

一般的な解説で言われているような使い方はせず、強いトレンドがそろそろ終わる前兆を客観的に認識するためだけに使用する。


RSI (相対力指数)


この他にも、私が知らないだけで、もっと有益なテクニカル指標が存在しているかもしれない。
それを探し求めることは、とても楽しい夢のある行為なので、決して悪いことではない。

でも、その指標を、本番の相場で、タイムリーに利用できなければ、何の意味もない。

具体的なシグナルを出してくれる指標であればあるほど、適用できる場面は限られてくる。
ある特定の状況になった時にだけ 高勝率なシグナル を出してくれるけど、
それ以外の場面では、さっぱり使えない、というものがほとんどだと思う。

その特定の状況とは、どんな場面なのか?が分かっていれば、その指標は役に立つ。

ここに挙げたテクニカル指標は、あくまでも私が個人的に使っている組み合わせなので、
決して正解ではないし、理想的なものでもないし、まだまだ改善余地がある。

自分の投資目的や投資スタイルによって、必要なシグナルは違ってくるけれども、
テクニカル指標は、あくまでも、自分の技能を補ってくれる補助ツールにすぎないので、
理想は、「テクニカル指標を一切使わずに無意識的に上手なトレードができること」である。


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