2022/05/11

圧倒的なトレンド相場での、最後の「逆転負け」を防ぐための、クライマックス判定法。

前回の記事
「圧倒的なトレンド相場で鉄板エントリーできても「利益確定」が下手だと「逆転負け」する。」
https://www.hosono.org/2022/05/blog-post_10.html

の続きで、前回の仮想トレードでの反省(例)を書いてみようと思う。

2年前のコロナショック暴落の時で、圧倒的な下落トレンド相場で、
鉄板エントリーで「空売り」したにもかかわらず、
「利益確定」の判断が遅れて、最後の最後に「逆転負け」する事例を
仮想で体験し、仮想で悔しい体験を得ることができた。

でもそれだけで終わったら、何の教訓もノウハウも得られないので、
敗因を分析し、どうすれば勝てたのか? を学び取る必要がある。

前回の例での手仕舞い日は、2020年3月24日(火) だったので、
その3日前、2020/3/19(木) の時点に遡って、トレード判断を分析してみようと思う。


トレンド系指標である 「日足PPPステータス」 と ADX だけを見ていると、
トレンドの最後のクライマックスを迎えるちょうどその日まで、
トレンドが進行中であることを示す情報だけしか、提示してくれない。

ADXがピークアウトする時は、もうすでにクライマックスを超えていることが多く、
シグナルが出た時にはすでに、逆方向へ価格が反発していることもあり、
判断の遅いシロウトさんは、プロに利益を剝ぎ取られて「逆転負け」してしまう。

トレンドのクライマックスを知るには、逆バリ系の指標を使うのも有効である。
そこで活用できるのが、RSI (相対力指標) である。
RSI (相対力指標)は、ADXと同じ ワイルダー氏が考案した指標である。

このRSIは、実際の値動きに先行して、クライマックスの 「予感」 を教えてくれる。
あくまでも「予感」程度のシグナルであり、絶対的なものではないけれども、

クライマックスの気配を感じたら早めに 一部または全部を利益確定しよう!
と思っている場合は、この「予感」に従って、早めに対処するのに活用できる。

クライマックスの気配を探っているという段階の時は、
ADXがずっと上昇を続けてきている という前提が成り立つので、
RSI の値も、信用に値する、と考える。

ADXが低いか下降中の時は、RSIも含めてほとんどの指標は役立たなくなる。

2020/3/19(木) のRSIを見てみると、
週足RSI が既に一桁になっている 状態であることが確認できる。

月足RSI も 11 まで下がっていることが数値で確認できる。
「もはや下げ過ぎた。そろそろ急反発するかもしれない!」 と思えば、
一部または全部を 利益確定しておいた方がよい、という判断もできる。

不安だったら、この日時点の、日経平均チャートを確認してみるとよい。


日経平均先物(日経225先物) の方が、現物株よりも先行して動くので、
チャートを見てみると、やはり、 RSI が低くて逆行を始めていることが確認できる。

この日、つまり 2020/3/19(木) に、利益確定する判断ができれば、
結果的に最大限の利益を得られたことになる。


RSIのような抽象的な指標を使わず、ローソク足の行間から「予感」を得られるなら
それに越したことはないけれども、それができない人は、RSIを活用すればよいと思う。

ちなみに、もしもこの日に、「あともう1日待ってから判断しよう」
と決めた場合は、どうなっていたか?


次の日になると、RSIの動きがさらに明確になっている。
日足RSI、週足RSI、月足RSI が3拍子揃って「逆行」(上昇)しており、
しかも 週足RSIは、2倍以上に上昇している。

さすがにこの異変を認識することができたら、
もう迷わずに、手仕舞いすることができると思う。
結果は、次のとおりで、最低限の利益を確保することができた。


RSIが教えてくれているシグナルを無視したまま次の日 2020/3/24(火) に進んで、
「日足PPP赤折れ」「ADXがピークアウト」のシグナルでようやく手仕舞いする場合、
前回の記事のとおり、利益がすべて吹き飛んで 「逆転負け」する結果となった。

最後に、2020/3/24(火) に、
「日足PPP赤折れ」「ADXがピークアウト」のシグナルを確認したにもかかわらず、
何もせずに 次の日を迎えるとどういうことになるのか? を考えてみたいと思う。

次の日はおそらく、朝からチャートが気になって、ザラ場を見ちゃうかもしれない。
一日終わった後のチャートは次のとおり、「上ヒゲ陰線」で終わっているけれども、
朝、ザラ場を見てみたら 「大陽線」で 含み損が膨らんでいる状態かもしれない。


ザラ場中に、ルールを破って、手仕舞いをしたら、損失で終わることが確実になる。
ルールどおりに手仕舞いすると、次のような結果になった。


圧倒的なトレンド相場での、最後の「逆転負け」を防ぐためには、
日足RSI、週足RSI、月足RSI を全部使って、クライマックスの「予感」を確認し、
直ちに 一部または全部を 利益確定する というルールにしていきたい。


2 件のコメント:

  1. 細野さん

    シリーズで更新ありがとうございます。
    2年前のコロナ空売りで激しい失敗をした組です(^^;;
    細野さんに取り上げられた時、胃がキリキリしたほどです。

    最初、ガンガン下がり。
    楽勝モードだと気が大きくなりました。
    この時、細野さんの今回の記事のことを知っていれば…。

    このコロナから、相場式を学びました。
    それからはローソク足を必ず数えています。

    自分を戒める痛すぎる事件でした。

    ツール使わせて頂き、復習します。

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    1. 少しでも記事内容がお役に立てたのなら嬉しいです。

      実際に自分が 現物のお金でトレードした銘柄ならば、
      さらに臨場感で、仮想トレード(タラレバ売買)が
      できるので、それを最優先にやることをお勧めします。

      当時の失敗の原因をテクニカル数値でに納得して、
      同じ場面を何度でも成功できる 技能 が身についた時、過去のトレード損失を、自分の知的財産 に昇華できます。

      ぜひ試してみてください。

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