2025/07/21

過去の高値・安値のブレイクアウトを示すシグナルに出来高アイコンを追加

過去の高値・安値のブレイクアウトは重要なテクニカルシグナルだが、
出来高の増加が伴わないと、ダマシに終わることが多い。

四本値だけを使ったテクニカル指標だと出来高を考慮しないので、
出来高を伴う本物のブレイクアウトも、
出来高を伴わないダマシのブレイクアウトも、
全く同じものとして扱ってしまう。

ということは、
出来高を考慮してダマシを少なくできれば、
負けトレード回数や損切りコストを抑えることで、
トレード成績の向上が期待できることになる。

そこで、自作ツールのブレイクアウトシグナル
「▼下抜」「△上抜」に
出来高を示すアイコンを付加していくことにする。

当日の出来高を、前日時点での20日出来高平均と比べて、
その増加率を現すアイコンを4種類付加してみた。

 100%未満は「-」(マイナス)
 120%未満は「=」(イコール)
 120%以上は「+」(プラス)
 150%以上は「++」(ダブルプラス)

の4種類である。「+」以上だと信憑性が高いと判断する。
「▼下抜 +」「△上抜 +」のように表現する。


さて、もう一つついでに、
過去の高値・安値のブレイクアウトした後に、
そのまま高値および安値を更新している場合に、
「▼下抜」「△上抜」が出続けるのもおかしいので、
表現を少し変えることにしようと思う。

とりあえず、
「▼更新 +」「△更新 +」のようにしておこうと思う。
これも出来高アイコンを付加する。

ブレイクアウトは、終値ベースで、出来高の増加を伴って、合格と判定する方がよい。
例外があるかもしれないけれども、わざわざ考慮しなくてもよいだろうと思う。
デイトレードはともかくとして、ポジショントレードでは出来高が重要になる。

トレイリングストップによる「逆指値変更」の判断も、
出来高を考慮するように改善していこうと思う。


2025/07/15

空売り失敗事例のケースを、自作ツールで分析してみる

林則行先生の投資部から送られてきた動画メールの中で、
「空売りの失敗事例ケース」がとりあげられていたので、
未熟ながらも自己流の視点で、分析してみようと思う。

せっかくつくった、自作ツールが役に立つのか?
役に立たないとすれば、どこを改善すればよいのか?
という目的も、もちろんある。

その事例が、この空売りトレードのケースだった。
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取引内容:2025/4/21 伊藤忠(8001) 売建 ¥6,714
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これを疑似体験してみたいと思う。

まず、私のシグナルサマリーで、2025/4/21 時点の全体像を眺めてみる。


「売りシグナル」よりも「買いシグナル」が多く、新高値をつけている銘柄も多い。

上昇トレンドとはいえないが、小暴落から急激に戻っていた時の相場状況である。

この銘柄一覧の中から、「8001 伊藤忠商事」を選んで表示させてみる。


たしかに、50日移動平均法のシグナルが出ている。
しかも1回目ではなく、5回目なので、信憑性はある。

でも、この日の出来高が、過去20日の出来高平均に比べて少ないので、
ここが引っかかる。私だったら、この日は空売りをしない判断をすると思う。

でもとにかく、ここで売り注文を出したと仮定する。
すると、その後にどうなったか?


5営業日後に、8%の損切り執行されて、あっけなく終わる。
でも、
この5日間は、短期的ながらも、10日高値を更新し続けているので、
このまま損切りまで指をくわえて見ているのは、つらいと思う。

まず、仕掛けの段階から分析してみると、
前回の短期的な高値である 20日高値 7,248円までの距離は 512円(7.6%)であり、
この金額をリスクに晒して(つまり資本として)、
前回の短期的な安値である 20日安値 5,873円までの値幅 863円(14.7%)を最低限期待する、
というトレードを目論むのであれば、リスクリターン比はほぼ 1:2なので、ほぼ合格である。

翌日、売り注文が約定した日の、ザラ場が終わった後のチャートを見てみると、
前回の10日高値を上抜けて、50日移動平均線も上抜けて、
前回の20日高値 7,248円まで障害物がなく、力強く上昇していきそうな雰囲気に見える。

翌日(4月22日)のチャートは、こうなっている。


この日(4月22日)に「タラレバ玉帳」を参照したと仮定した場合、
まだこの日は、1行目しか表示されていないが、
空売りとは逆の「買いシグナル」がもういくつか出ていることを確認できる。


なので、もうこの日に「損切り」を決行してしまえば、早く撤退できる。
その日のうちに損切りを決めて、翌日の寄付で決済すると、このようになる。


窓開けして上昇したので、損切り額は大きくなったが、
8%よりは少なく抑えることができた。

ちなみに、もし損切りをせずに、再び下落へ転じることを祈って、
そのまま放置し続けていたら、どうなったかといえば、
今日(7/15)現在でも、大きな含み損を抱えたままで、苦しみが今でも続いている。


この後もさらに上昇する可能性だってあるので、
損切りせずに耐え忍ぶのは、やっぱり、絶対にやっちゃいけない方法なのだ と、
こうやって納得することができる。

でも今回の場合、空売りをした直後に、
明らかに短期上昇トレンドへ転換したのが明々白々なのだから、
ドテン(途転)買いすれば、損切りコストをプラスに変えることもできるが、
ごくたまに、往復ビンタ(損切りの連続)を喰らうことがあるので、
これはやめておいた方がよいのだろう。

参考までに、ドテン買いした場合の「タラレバ玉帳」を載せておこうと思う。


トレーリング・ストップを入れた場合の例だけれども、
これぞまさに、タラレバ のシミュレーションだ。


2025/07/14

「タラレバ玉帳」に、トレイリング・ストップ機能を付けてみた

損切り許容額は、トレード期間によって決まるので、絶対的な基準があるわけではない。
1日しかポジションを保有しないデイトレードならば1%程度、
数日間のポジション保有を前提とするスウィングトレードでは3%程度、
もっと長く保有するポジショントレードでは8%程度が妥当なのかもしれない。

リスクリワード比率を計算して、リスクが損切許容額よりも小さい時に
トレードを仕掛けるようにすれば、負けトレードが少なくなりやすい。
その損切りラインが前回の高安値で、しかもレジサポ逆転ラインだと、さらに成功しやすい。

私が作った「タラレバ玉帳」では、
最初に決めた損切りライン(8%)にかかると強制決済されて、
そこでトレードが終了するようになっている。

最初は大きな含み益が出ていたのに、利食いを逃して、
最終的に8%の損切りに至ることもあるが、
実際には、こんなトレードはするべきではない。

利益が出ていたのなら、利益が消滅する前に利食いをしたいし、
わざわざ8%まで損切りを膨らます前に損切りをしてしまいたい。

ということで、簡易的ではあるけれども、
トレイリング・ストップ機能」を設けてみた。

ロジックは、例えば「買い」トレードの場合は、
最初は「逆指値」を損切り許容額である8%(取得額 * 0.92)相当の価格とし、
株価が「20日間の新高値」を上抜ける or 上値更新する毎に、
逆指値を「10日間の最安値」の金額へと引き上げていく。これを繰り返す。
売りトレードでは、これが逆になる。

株価が上昇を続けているならば、この逆指値は、損切りではなくて利食いになるし、
そうでなくても、損切り額を小さくすることができるかもしれない。

ということで、検証のため、ちょうど10年前の相場へタイムスリップしてみようと思う。
2015年7月14日。
売りシグナルが出る銘柄はほとんどなく、
買いシグナルが出る銘柄が大きいので、上昇相場だった。



日経平均株価をクリックしてみると、50日移動平均法の「買いシグナル(再上抜)」が出ている。



この状況で「買う」という判断をした場合に、どうなるのか?
「買」をクリックすると、「タラレバ玉帳」の画面が開き、
このような結果を見ることになる。


これは急落したケースなので負けトレードになるが、
一旦20日安値を下抜けたので、簡易トレイリングストップ機能により、
逆指値の金額が引き下げられることになった。
これにあわせて、証券会社の「注文訂正」で、逆指値の金額を変更する。

でも結局、逆指値が失効されて、損切りを余儀なくされるが
8%よりも少ない損切りで済んでいる。

本番トレードでも、同じシグナルを出してくれるので、
過去相場でうまくトレードできるなら、
本番でも同じ要領でやれば、うまくできるはず、である。


2025/07/06

2020年のコロナ暴落時の「1540 金の果実」分析

もう5年も前の話になるが、コロナ暴落の時を、ふりかえってみたいと思う。
新しいツールで「2020/2/25」にタイムスリップしてみて、
シグナルサマリーの一覧画面を見ると、状況が一目瞭然だと思う。

銘柄選定用シグナルサマリー 2025年2月25日
日経平均のシグナルサマリー 2025年2月25日


私の以前のツール(相場師朗先生の株塾2019年バージョン)でも、
買いのシグナルがほぼゼロになり、売りのシグナルが99%近くになっていたが、

私の新しいツール(林則行先生の投資部2025年バージョン)でも、やはり、
買いのシグナルはほぼゼロになり、売りのシグナルが99%近くになっている。

ちなみに当時、私が入会していた「株塾」では、その1ヶ月以上も前からずっと
暴落に備えた空売りの練習をしていたにもかかわらず、
暴落直前に「急上昇」した時に、
「言われたとおりに空売りしたら大損したぞ! どうしてくれるんだ!」
というクレームを言ってくる人がいたそうだ。
最後の急上昇で、迷って、買って、大損 or 機会損失 した人も少なからずいたようだ。

次回いつの日にかやってくる大暴落の時に備えて、
林則行先生は著書の中で、「金 (GOLD)」の購入を一貫して推奨している。
講義の中でもお話されていたが、
株式市場が暴落したら直ちに金が上がる、というわけではなく、
一時的な、上がったり下がったりの乱高下は、想定しておくべきである。

そうでないと、
株式市場が暴落した時に「金 (GOLD)」も一緒に暴落したら、迷って、
「言われたとおりに金を買ったら大損したぞ! どうしてくれるんだ!」
というクレームを言ってくる人がいるかもしれない。

まず、金のETF「1540 純金上場信託(通称:金の果実)」の
週足チャートを見てみると、一方的に上昇していることが明白である。
でも2020年の値動きを見ると、少なからず乱高下していたのが確認できる。

1540 純金上場信託(通称:金の果実)週足チャート

まず、2020年2月25日にタイムスリップして、シグナルサマリーを見てみると、
買いのシグナルはほぼゼロになり、売りのシグナルが99%近くになっていたが、
例外として「1540 純金上場信託(通称:金の果実)」は新高値を付けている。

これ以前に買っていた人は、ここで大きな含み益が出ていたはずだが、
このシグナルをもとにして、この日に「買い」注文を出すと、どうなったか?

タラレバ玉帳「1540 金の果実」

結果は、直後に急落して、10%以上の含み損を抱えてしまうことになる。
もし信用取引で買っていた場合は、損切りを執行しなければならなくなる。

2020年2月25日で、このチャートを見ていたら、ここで買うのはさすがに躊躇する。
これぞ本当の「高値づかみ」である。


2020年3月13日の、損切り執行時にチャートを見ていたら、このようになる。


「1540 純金上場信託(通称:金の果実)」を現物株として買っていたら、
損切りは行わずに、含み損を無視して保有し続けることになるが、その場合、
2月25日の高値を上抜けるのは、6月29なので、4ヶ月以上も安心できない状態が続く。


さて、もう一度、前掲の 週足チャートを見てみよう。
15,000円間近の現在の状況から見れば、ほんのちょっとの値動き、くらいにしか認識できない。


長期的に、こういう流れで上昇していくことを確信できているならば、
迷うことはないだろうし、安値付近で買い増すことだってできるはずである。

もし大きく下落しそうな場合は、
一時的に、ヘッジ玉としての空売りも行って両建にしたうえで、
売りポジションで利益を重ねて、損失軽減するというテクニックもある。

が、そんな面倒なことを一切せず、チャートも一切見ないで、
定期的に買い増ししていくか、買い増しせずに放置する、という方法でも
最終的には利益になっていることは変わりはない。

いざ、株式市場の暴落が起きて、金の価格も一緒に暴落した際に、
慌てず、迷わず、対処できるように、
過去相場でシミュレーションによる検証をしておくことは有意義だと思う。

投資は自己責任で行うものなので、他人のせいにしないためにも、
しっかりと自分で分析して、納得&確信できる状態にしておきたい。


2025/07/05

新ツールでの「タラレバ玉帳」によるトレード検証

重要な安値割れという売りシグナルを根拠として空売りを仕掛ける場合、
どこで利益確定し、どこで損切りするのか? について、
何の方針もないと、勝ちトレードが負けトレードになることがある。

空売りを仕掛ける段階で、損切り許容額(リスク)に対して
期待する利益額(リワード)の目安を決めておくのが望ましい。

このリスク&リワード比率が2~3倍あれば、
勝率がそれほど大きくなくても、利益が蓄積されていく計算になる。

損切り許容額(リスク)が小さければ、早めに利食いしても大丈夫だし、
損切り許容額(リスク)が大きければ、大きく利食いするまで待たねばならない。

でも、どちらにしても、逆方向のシグナル(前回高値越え 等)が出たら
もう諦めて損切りしてしまった方がよいケースが多い。

本当にそうなのか?は、
過去の相場でシミュレーションしてみないと、納得するのが難しい。

仮に、今年(2025年)の3月末日の時点で、日経平均の相場を見てみると、
過去100日の安値を割り込んだというシグナルが出ている。

とりあえずETF(1321)を対象に、
下げを見込んで「空売り」を仕掛けた場合と、
反発を見込んで「買い」(逆バリ)を仕掛けた場合で、
その後の結果がどうなったのか?
を見るツールを作ってみた。

それが、「タラレバ玉帳 ver2」である。

シグナルを見て、「売」と「買」のいずれかのリンクをクリックしてみると・・・



まずは「売り」の場合、見込みどおりに下落したので、最初は利益が出ている。
が、もし利益確定せずに、欲張って放置していると、
やがては「買いシグナル」がどんどん出てきて、損失が出てくる。
そして、この後、遂には、8%の強制損切りを迎えることになってしまう。

















では逆に、反発してレンジ相場内へ戻ることを見込んで、
逆バリの「買い」を仕込んでみた場合は・・・













はい。すぐに強制損切り(8%)になる。

逆指値注文を仕掛けていた場合、窓を上けて寄り付いたため、
8%のはずが13.8%の損切りを喰らってしまうことになる。

もし、この損切りをしなかった場合、
ずぅーっと耐え忍んでいたら、この後に大幅利益になるのだけれども、
それはあくまでも結果論であって、
ここで追い証になってゲームオーバーになる可能性だってあるのだから、
この強制損切りを正直に喰らう (そして猛反省する) のが正解である。

本番トレードで喰らったらショックだけれども、
シミュレーション練習の段階で喰らうならば、痛手はない。

そのための練習として、「タラレバ玉帳 ver2」を作ってみた次第である。

実際のトレードにおいては、上記の2つの選択肢しかないのかといえば、そんなことはなく、
デイトレード等で成功している凄腕トレーダーさんだと、

 トレイリング・ストップを活用して損失を利益に変えていたり、
 途中で半分利食いしていたり、
 建玉の調整をしたり、

という数々のテクニックをつかって、成功率を上げている。

これから追加したい機能は、

・業績チェック
・次の過去安値に近づいた時の、手仕舞いアラート
・次の過去安値を突破した時の、損切り額の引き下げ(トレイリング・ストップ)

等である。

それらは、損失トレード(強制損切り)になってしまうケースの場合に、
「どうやったら損失を抑えられるか?」を考える段階で、有効になると思う。

あらかじめ仕掛けの段階で、ファンダメンタルによる分析で
「この銘柄の空売りは、今回は辞退しよう!」
という判断ができていれば、損失トレードを回避して勝率を上げられたかもしれない。

本番トレードで実損を喰らう前に仮想トレードで仮想損を喰らって反省&改善しておけば、
本番トレードを確信をもってルールどおりに行うことができるはずである。

私のツールは、過去30年くらいのデータを入れているので、
過去のいろんな場面で、検証をやってみることが可能ある。

特に、自分が過去に失敗したトレード場面については、
この検証(反省&改善)を行うことで、
トレードで失った損失額を「トレード技術の授業料」へと
昇華させることができるので、ぜひやっておくべきだと思う。

そうやって体得したノウハウだけが、自分が本当に使えるトレード技術になってゆく。


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