重要な安値割れという売りシグナルを根拠として空売りを仕掛ける場合、
どこで利益確定し、どこで損切りするのか? について、
何の方針もないと、勝ちトレードが負けトレードになることがある。
空売りを仕掛ける段階で、損切り許容額(リスク)に対して
期待する利益額(リワード)の目安を決めておくのが望ましい。
このリスク&リワード比率が2~3倍あれば、
勝率がそれほど大きくなくても、利益が蓄積されていく計算になる。
損切り許容額(リスク)が小さければ、早めに利食いしても大丈夫だし、
損切り許容額(リスク)が大きければ、大きく利食いするまで待たねばならない。
でも、どちらにしても、逆方向のシグナル(前回高値越え 等)が出たら
もう諦めて損切りしてしまった方がよいケースが多い。
本当にそうなのか?は、
過去の相場でシミュレーションしてみないと、納得するのが難しい。
仮に、今年(2025年)の3月末日の時点で、日経平均の相場を見てみると、
過去100日の安値を割り込んだというシグナルが出ている。
とりあえずETF(1321)を対象に、
下げを見込んで「空売り」を仕掛けた場合と、
反発を見込んで「買い」(逆バリ)を仕掛けた場合で、
その後の結果がどうなったのか?を見るツールを作ってみた。
それが、「タラレバ玉帳 ver2」である。
シグナルを見て、「売」と「買」のいずれかのリンクをクリックしてみると・・・
まずは「売り」の場合、見込みどおりに下落したので、最初は利益が出ている。
が、もし利益確定せずに、欲張って放置していると、
やがては「買いシグナル」がどんどん出てきて、損失が出てくる。
そして、この後、遂には、8%の強制損切りを迎えることになってしまう。
では逆に、反発してレンジ相場内へ戻ることを見込んで、
逆バリの「買い」を仕込んでみた場合は・・・
はい。すぐに強制損切り(8%)になる。
逆指値注文を仕掛けていた場合、窓を上けて寄り付いたため、
8%のはずが13.8%の損切りを喰らってしまうことになる。
もし、この損切りをしなかった場合、
ずぅーっと耐え忍んでいたら、この後に大幅利益になるのだけれども、
それはあくまでも結果論であって、
ここで追い証になってゲームオーバーになる可能性だってあるのだから、
この強制損切りを正直に喰らう (そして猛反省する) のが正解である。
本番トレードで喰らったらショックだけれども、
シミュレーション練習の段階で喰らうならば、痛手はない。
そのための練習として、「タラレバ玉帳 ver2」を作ってみた次第である。
実際のトレードにおいては、上記の2つの選択肢しかないのかといえば、そんなことはなく、
デイトレード等で成功している凄腕トレーダーさんだと、
トレイリング・ストップを活用して損失を利益に変えていたり、
途中で半分利食いしていたり、
建玉の調整をしたり、
という数々のテクニックをつかって、成功率を上げている。
これから追加したい機能は、
・業績チェック
・次の過去安値に近づいた時の、手仕舞いアラート
・次の過去安値を突破した時の、損切り額の引き下げ(トレイリング・ストップ)
等である。
それらは、損失トレード(強制損切り)になってしまうケースの場合に、
「どうやったら損失を抑えられるか?」を考える段階で、有効になると思う。
あらかじめ仕掛けの段階で、ファンダメンタルによる分析で
「この銘柄の空売りは、今回は辞退しよう!」
という判断ができていれば、損失トレードを回避して勝率を上げられたかもしれない。
本番トレードで実損を喰らう前に仮想トレードで仮想損を喰らって反省&改善しておけば、
本番トレードを確信をもってルールどおりに行うことができるはずである。
私のツールは、過去30年くらいのデータを入れているので、
過去のいろんな場面で、検証をやってみることが可能ある。
特に、自分が過去に失敗したトレード場面については、
この検証(反省&改善)を行うことで、
トレードで失った損失額を「トレード技術の授業料」へと
昇華させることができるので、ぜひやっておくべきだと思う。
そうやって体得したノウハウだけが、自分が本当に使えるトレード技術になってゆく。
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